ISO46001:2019(水効率マネジメントシステム:Water efficiency management systems)について

ISO46001:2019(水効率マネジメントシステム:Water efficiency management systems)について

認証 セミナー

われわれ日本人にとって、水は永遠に使い続けてもなくならないものと思っていました。

国立歴史民俗博物館 関沢まゆみ教授 政府広報: 「水と日本人の暮らし:民俗学から見る水文化の歴史と現代」によると、: 日本は温帯モンスーン気候に位置し、豊かな水資源に恵まれてきました。「古事記」や「日本書紀」といった古い史書の中でも、日本は「豊葦原とよあしはらの瑞穂みずほの国」、つまり「葦がしげり、稲穂がみずみずしく育って、豊かな国」であると表現されています。その一方で、梅雨や台風、秋の長雨など季節の変化によって起こる水害も数多く経験してきた歴史があります。以上抜粋

一方、日本国と比べシンガポールは世界で最も水不足に悩まされている国の一つです。地下水、大きな淡水湖、そして雨水を集水・貯留できる十分な集水域を持たないシンガポールは、「四つの国水栓」として知られる多様な水供給戦略を展開してきました。これは輸入水、地元の集水域からの水、ニューウォーター(NEWater)、そして淡水化水です。そこで2012年、シンガポール国立水庁(PUB)は、エンタープライズ・シンガポールおよび業界関係者と共同で、シンガポールの水の持続可能性への取り組みを支援するための国家規格を策定しました。シンガポール規格 SS 577 水効率管理システムは、水効率の達成に向けて体系的なアプローチをとるためのガイドラインを組織に提供する世界初の規格です。SS 577は、世界中の組織に適用可能な国際規格であるISO 46001水効率マネジメントシステムの策定につながりました。ISO 46001は、水効率管理に関する明確な枠組みとガイダンスを提供し、水使用量を評価・記録し、水使用を最適化するための対策を特定・実施するための最良の方法とツールを明示しています。ISO 46001は、あらゆる規模の企業や組織に適用でき、あらゆる業界で導入可能です。(当社グループ:SOCOTECシンガポールホームページより)

 

日本政府では、「水循環計画」内閣官房 水循環政策本部事務局 令和6年8月
水循環基本計画は、水循環基本法(以下「法」)に基づき、水循環施策の総合的・計画的な推進を図るため策定。情勢の変化を勘案等し、おおむね5年ごとに見直し(水循環政策本部で案文を作成し、閣議決定) 新たな水循環基本計画において「重点的に取り組む主な内容」

1.代替性・多重性等による安定した水供給の確保
2.施設等再編や官民連携による上下水道一体での最適で持続可能な上下水道への再構築
3.2050年カーボンニュートラル等に向けた地球温暖化対策の推進
4.健全な水循環に向けた流域総合水管理の展開

など水循環、地下水マネジメントなど水利用についての、水循環基本法「健全な水循環の維持または回復」を目標に水循環についての基本理念、施策、目標を定めています。
以上から、水利用は永遠ではないと考慮され、国、自治体、企業が水の効率利用を進めていく必要があるのではないかと考えます。

 

また、ソコテック・サーティフィケーション・ジャパンでは、CDP回答アドバイザリー(気候変動・水・森林)業務を実施しています。その中で水セキュリティに関する回答の支援要望が増加しています。
水セキュリティは、取水データ、排水データ、有害な影響や水関連リスクなどはもちろん、事業戦略としての水の課題へ対応し回答していく必要があります。

 

今回、紹介するのは、当社シンガポールで認証業務をしているISO46001を、日本でセミナー業務や認証業務を予定しています。

 

ISO46001規格抜粋

序文:本文書の目的は、組織が水使用量を評価・記録し、体系的な水管理を通じて節水を実現するための対策を特定、計画、実施できるようにすることです。実施を成功させるには、組織内のすべての階層と機能、特にトップマネジメントのコミットメントが不可欠です。本文書は、水効率マネジメントシステムの要件を規定し、その利用に関するガイダンスを提供しています。本文書を用いることで、組織は目標、目標値、行動計画、モニタリング、ベンチマーキング、レビュープログラムの策定を通じて、水効率化方針を策定・実施することができます。

要求事項は以下になります。

4組織の状況
5リーダーシップ
6計画(6.1リスクと機会への対応6.2水効率目標とその達成のための計画6.3目標と行動計画)
7支援
8運用(8.1運用計画及び管理8.2設計8.3水道サービス、製品、及び機器の調達8.4保守点検)
9パフォーマンス評価
10改善

 

現状ISO9001やISO14001を取得している企業であれば、水効率マネジメントシステムとの統合は容易でありますし、また2024年2月にすべてのISOマネジメント規格に気候変動(Amd1)の要求事項が追加されたことにより、気候変動や水管理についての対応は、どの組織でも大きな課題になっているのではないでしょうか?

ソコテック・サーティフィケーション・ジャパンでは、ISO46001の認証業務や規格説明セミナーなどを予定していますので、お気軽にご相談してください。

 

 

執筆者:ヘッド・オブ・サーティフィケーション 朝井 光治

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