トランジション・ファイナンス とは
トランジション・ファイナンスとは、気候変動への対策を検討している企業が、脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則った温室効果ガス削減の取組を行っている場合に、その取組を支援することを目的とした金融手法のことを指します。
特に、我が国においては、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すため、パリ協定に整合的な目標設定を行い、本基本指針に定める要素を満たした上で、資金調達を行う動きを支援するためのファイナンス(資金供給)として位置付けられます。
国際的な金融市場のコンセンサスである国際資本市場協会(ICMA)のクライメート・トランジション・ファイナンス・ハンドブックでは、クライメート・トランジション関連の目的を持ち、以下のいずれかの形式
により、発行された債券への資金供給を促進することを目的とする投資をクライメート・トランジション・ファイナンスであると定義しています。
A)資金使途を特定した債券の場合:グリーン及びソーシャルボンド原則又はサステナビリティボンド・ガイドラインに整合
B)資金使途を特定しない債券の場合:サステナビリティ・リンク・ボンド原則に整合
トランジション・ファイナンスの4要素
「クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針」(金融庁・経済産業省・環境省により2021年5月策定)では、4要素(戦略とガバナンス、マテリアリティ、科学的根拠、透明性)について、資金 調達者の開示に関する論点と対応方法を示しています。
トランジション・ファイナンスの位置づけ
基本指針において、トランジション・ファイナンスの位置付けを下図のように表わしています。
トランジション・ファイナンスは、資金調達者がパリ協定と整合した長期目標を実現するための戦略を明確に求められるという点において、より将来に対して野心的な取組を担保する主体へのファイナンスと言えます。
そのため、トランジション・ファイナンスをグリーンボンド等と同様に、脱炭素社会の実現に向けて極めて重要な手段として位置付けています。
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ソコテックにおけるトランジション・ファイナンスの評価
金融機関がトランジション・ファイナンス等を通じて実経済の脱炭素化に資する取組を促進するためには、資金調達者による信頼性が高いトランジション戦略の策定・開示が不可欠です。
弊社ではサステナブルファイナンス事業における品質方針に則り、質の高いサービスを通じて、持続可能な社会の実現に向けて貢献いたします。
サービス内容
以下の原則・ガイドライン等の基準類に対する適合性に関して、SOCOTEC Certification Japan サステナブルファイナンス評価手順に従い、セカンドパーティ・オピニオンを提供します。
- ICMAソーシャルボンド原則
- ICMAサステナビリティボンドガイドライン
- ICMA クライメート・トランジション・ハンドブック
- 気候ボンド基準(CBI Standard)
- グリーンボンド・ローンガイドライン(環境省)
- ソーシャルボンドガイドライン(金融庁)
- クライメート・トランジション・ファイナンスに関する基本指針(金融庁・経済産業省・環境省)
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1)セカンドパーティ・オピニオン
このセカンドパーティ・オピニオンは、以下の段階で実施します。
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① 発行前レビュー:トランジション・ファイナンスの発行前、発行体に対してサステナブルファイナンス・フレームワークまたはグリーンファイナンス・フレームワークに関し、4原則の事項に係る対応について適合性をレビューする
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② 発行後レビュー:トランジション・ファイナンスの発行後、調達資金からトランジションプロジェクトへの資金の内部追跡や充当状況を検証するため、発行体の調達資金管理について、社外監査人やその他の第三者からのレビューを提供する
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2)検証
SOCOTEC Certification Japan サステナブルファイナンス評価手順に従い、ローン/ボンド発行体のトランジション・ファイナンスの期間内における各KPIのSPTsに対するパフォーマンスレベルについて、年1回の検証を提供します。