ISO9001:2026 改訂に関する最新動向

ISO9001:2026 改訂に関する最新動向

認証

近年、ビジネス環境の急速な変化に伴い、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001も進化を続けています。
2026年に予定されているISO9001の改訂は、組織が現代のビジネス課題に効果的に対応するための重要な変更を含んでいます。

改訂の主なポイント
ISO 9001:2026では、基本構造を維持しつつ、以下のような重要な変更が加えられる予定です
 ・第4項:気候変動への対応:組織の活動における気候変動の影響が、注記として明確化されます。
 ・第5項:倫理・誠実性の強化:組織文化における倫理的側面が、新たな要求事項として検討されています。
 ・第6項:リスクマネジメントの拡充:リスクと機会の評価プロセスがより詳細に規定され、事業継続に関連するリスク対応も強化されます。
 ・第9項:監査アプローチの進化:監査の目的が明確化され、形式的ではない、より効果的な監査の実施が求められます。
 ・マネジメントレビューの強化:インプット項目が「含めなければならない」と明記され、利害関係者のニーズおよび期待が追加されます。

組織への影響と準備のポイント
今回の改訂は、単なる規格変更ではなく、組織の持続可能性と競争力を高めるための機会と捉えるべきです。
現在のISO9001:2015から2026年版への移行を円滑な移行のためには、以下の準備が重要です。
 ・気候変動リスクを含めたリスク評価プロセスの見直し
 ・倫理的行動や品質文化の醸成に向けた取り組み
 ・利害関係者のニーズ・期待に関する情報収集プロセスの強化
 ・変更管理プロセスの見直しと強化

移行に向けて
ISO 9001:2026は、2026年9月頃に国際規格として発行される予定で、その後JIS化が進められます。認証の移行期間は2〜3年と見込まれていますが、
早期から準備を始めることで、品質マネジメントシステムの価値をさらに高めることが可能です。
 

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本コラムは2025年8月時点の情報に基づいています。ISO9001:2026の最終的な内容は、FDIS(最終草案)発行時及びIS(規格版)発行を確認ください。

執筆者:ヘッド・オブ・サーティフィケーション 朝井 光治

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